学長メッセージ

社会に開かれた、社会により近い、そして学生が成長実感をもてる大学へ

教授・学長 西川 隆蔵
学長 西川 隆蔵
Ryuzo Nishikawa

2024年4月、本学はこれまでのリベラルアーツ学部、人間科学部の2学部体制から、リベラルアーツ学部、総合心理学部、食環境学部の3学部体制となってスタートします。リベラルアーツ学部は、日本学・文化構想、韓国語韓国文化、グローバル英語、情報クリエイティブ、2023年新たに社会マネジメントが加わった5つの専攻で、多様で自由な自分だけの学びを追求することができます。総合心理学部は、臨床心理学、健康・発達科学、こども学、産業・行動科学、の4つの学びの分野があり、人間の心理や行動を専門的・学際的に学ぶことをとおして、社会に貢献する実践的な力を養います。また公認心理師、臨床心理士といった心理専門職へ進む制度もあります。食環境学部は食イノベーション学科と管理栄養学科の2学科があり、食イノベーション学科では、「食」と関わる社会の問題解決やさまざまな産業への繋がりのある学びによって、「食」を通して人の健康や幸福に貢献する力を養います。管理栄養学科では、メディカルだけでなく、アスリート栄養、国際栄養など視野を広げ、その学びを深めることができます。

さて、帝塚山学院のモットーとして「自学自習の精神」があります。この自学自習とは、自分で自分の学びのプロセスをコントロールすることであり、この力が生涯を通じて、自分の学びを支えるのです。大学学部、学科では、専門的な知識やスキルを学ぶのは当然ですが、同時に大切なのは、それらをどのように学んだかということであり、自分の中で考えや意見を作り上げ、言葉で表現し、人に伝える力を身につけることです。本学では、そのような「学ぶ力」「自学自習の力」を育てていきたいと考えています。

それから、今、私たちはインターネットを使えば、世界中のどこからでも瞬時に情報を伝えることができますし、世界の流行はどこにいても享受できるようになっています。しかし、これはまさに画一化の進展でもあり、皆さんはそろそろこの画一化に気づき、自分なりに自分なりの幸せを探し、自分なりの人生を歩みたいと思っているのではないでしょうか。つまり、自分だけの物語を紡ぎたいと思っているのです。

これが本当のグローバルネットワーク社会の始まりであり、改めて私たちはダイバーシティ(多様性)の価値に気づきだしたのです。多様な幸せを理解し、それを互いに助け合いながら実現していくことが、これからの時代を生きていく我々の課題だと言えます。自分なりに成長もし、自分の強みや持ち味を大切にして、自らの成長を楽しむことが大切です。自分は何をしたいのか、自分にとって何が大切かということに目を向けて生きる力をつけていっていただきたいと思います。

どうか、皆さんの学生生活で、「今、ここ」での一つ一つの体験を大切にして、大いにチャレンジをして、たくさんの実のある、上質の失敗をして、「学ぶ力」を育み、一人ひとりの夢の実現に向けて、学生生活を楽しんでほしいと思います。私たち教職員はそのような皆さんの学びと学生生活を支えていきたいと思っています。