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阿部一博教授が朝日放送の情報番組「キャスト」に出演

2017/02/10

 最近はコリアンダーがブームになっており、パクチー専門のレストランが出現したり、パクチストと呼ばれるパクチー大好き人間がいる一方で、パクチーを全く受けつけない方々がいますが、番組内の「なんでやねん」のコーナーで、阿部教授がその理由を明らかにしました。
 撮影は、大学内の阿部教授の教授室で行われ、朝日放送の古川昌希アナのインタビューに先生が答える形で進められました。
 食文化に詳しい阿部教授が同番組の過去の放送内において、刺身のダイコンのケンの歴史と食の安全に関する重要性ならびに洋食の添え物としてのパセリの起源や栄養学的な重要性についての謎を解いており、今回はパクチーについて様々な情報を提供する、と紹介されました。

 パクチーの正式名はコリアンダーで、パクチーはタイ語です。番組内ではパクチーと呼びます。
 種子は甘い芳香があるので、スパイスとして世界中で利用されており、我が国ではカレー粉やピクルスに使用されています。
 最近、消費量が増えている生葉は、独特の風味があり、食物繊維が多く、健胃効果、強壮効果、抗酸化作用等があり、栄養的には優れた食材です。
 パクチーは、地中海沿岸原産のセリ科の野菜でパセリ等の仲間。古代エジプト(BC1552年)の医薬書(パピルス製)に薬用として記載されており、BC1000年頃からはパセリと同様に墓に亡骸と葬る習慣がありました。
 我が国へは中国を経由して、様々な文化・文明や技術・道具類と共に、他の野菜・果物と一緒に導入され、 倭名類聚抄(平安時代中期930年代の資料)に、薄荷・山葵・胡桃・蓼等と一緒に「胡荽」として記載されています。
​ 【参考】倭名類聚抄は平安時代の生活や社会・地理・組織・儀式等のあらゆる事を知る上で非常に貴重な資料であるが、この倭名類聚抄の解説書は、帝塚山学院大学図書館に架されています。図書の方々が親切に探して下さいましたので、記載内容を今回の取材に生かすことができました。皆様も、一度御覧になって下さい。
古くから伝わっていたパクチーが、我が国に根付かなかった理由として、仏教では肉食を禁じていたので、肉料理に合うパクチーが廃れて、和食に合う三ツ葉や芹等が増えていったと解説しました。
①奈良・平安時代、②江戸時代(ポルトガルから「コエンドロ」として伝播、農業全書1697年に記載)、③明治維新、④戦後、と我が国への導入が4回続いていますが一般庶民の食生活に普及せず、⑤約10年前からの現代のパクチーブームでも好き嫌いがはっきり分かれるのは何故でしょうか?
パクチーを好まない人々は、体内の生理作用において遺伝的に受け付けない状況ができあがっており、最近の研究において、世界中の4~14%の方々は、パクチーの香気成分を判断する生理機能に関する遺伝子の仕組みが、他の方々と異なることが明らかになっているそうです。
その人々は、パクチーの香りを「石鹸」の臭いと判断するので、パクチーを「食べ物ではない」と生理的に受け付けず、、更に“芳香剤”のような香りだと判断して、全く食材とは感じなくなるということです。
 遺伝子レベルで拒否しているので、苦手な人はパクチーを克服する事はない、と結論づけました。
 
阿部教授が本学で担当している「食品学」では、コリアンダーは我が国では中国名である香菜(シャンツァイ)とも呼ばれる事やコリアンダーの生葉の主要な香り成分はデカナール(食欲を増し、美味しさを増強する機能成分)等のアルデヒド類が主体で、種実の香気成分はテルペン類が主体である事や、「食文化論」では、コリアンダーはローマ人がイギリスへ伝え、さらにアメリカ(シラントロ)へ伝わり、16世紀にスペインから南米(スペイン語のクラントロと呼ばれ、サルサ等に利用)に伝播した事、ベトナムではザウムイと呼ばれゴイクンやフォー等に利用、インドではダニャーと呼ばれて日常的に使用されている事等を教えています。
ぜひ、本学に入学して、様々な食材の特性を学んで、資格取得に活用して下さい。