■2009年度 スタディーツアー参加学生報告


カンボジアスタディーツアー

  森 麻祐未
 
私はこの夏、カンボジアのシェムリアップという州に行ってきた。
カンボジアの現状をこの目で見て、身体で感じた、とても貴重な8日間だった。
みなさんはカンボジアの歴史でもっとも、悲惨で無残であったと言われている「ポル・ポト時代」を知っているだろうか?
1975年から約4年間、それまで常識とされていたことが全く通用しなくなっていった。
ポル・ポト軍はすべての人を平等にするために、畑を耕して農業をするという原始共産主義社会を理想国家として建設し、学校を禁止し、書物を焼き、仏教を禁止した。
そして、教師・医師・芸術家・警察官・僧侶などの知識人はすべて敵とみなされ、次々に虐殺されていった。他の人々も何かしらの理由をつけて虐殺された。
私は現地へ行き、今のカンボジアの現状はすべて歴史と結びついていることがわかった。私は孤児院で子どもたちと過ごした。そこの孤児院にいる子どもたちは教育を受けていない親から虐待を受けてしまったり、育児放棄をされたり、また交通事故で両親を失った兄弟など、様々な理由から孤児院で暮らしている。
カンボジアには虐待・孤児が多い――それはなぜか?
ポル・ポト時代、大虐殺で親を失ったたくさんの子どもたちが、親からの愛情を受けられずにそのまま大人になり、自分が子どもを持つようになった時、子どもに愛情を与えることができず、虐待などの様々な問題が生じている。つまり、親が過酷な時代に生きていたから、子どもへの愛し方がわからない、こういう現状がある。
しかし、様々なバックグランドを抱えているにも関わらず子どもたちの目はキラキラしていた。夢や希望を持ち毎日を一生懸命生きていた。その笑顔の裏にはきっと辛いことがいっぱいあったに違いないのに、確かに将来を見据え、たくましく前を向いて生きている子どもたちに胸を打たれた。子どもたちは孤児院にいる園長さんのことを「お母さん」と呼んでいて、園長さんも一人ひとりをわが子のように愛情を注いでいるのがわかった。そして何日か一緒に過ごしていくうちに子どもたちの笑顔は本物だと感じるようになった。だから、この子どもたちが大人になったとき虐待は繰り返されないのでないかと希望を持った。孤児院の子どもたちは生きることの大切さを知っている。人への感謝の気持ちを強くもっている。私はボランティアに行ったのだが、実際は笑顔を与えてもらい、自分を見つめ直させてもらい、学ぶことのほうが多かったように感じた。
「地雷博物館・キリングフィールド・リハビリテーションセンター」に行った。
地雷博物館は実際に埋められていた本物の地雷の火薬を抜いて数多く展覧している。世界にはまだまだ多くの地雷が埋められている。世界中の地雷を撤去するのには100年もかかるといわれているらしい。リハビリテーションセンターでは地雷の被害で義足になってしまった人だけではなく、交通整備がされず、信号が少なく交通事故が多発し、その事故に遭ってしまった人たちのリハビリも行っている。
そして、ポル・ポト時代大虐殺が行われた場所「キリングフィールド」へも行った。



フィリピンスタディーツアー
 〜貧困の中の豊かさ〜

  濱中 麻里
 
「泣かないで!ねぇ笑って?」
最終日に訪れたスモーキーマウンテンを目の当たりにし、ずっと涙を堪えるのに必死だった私にごみ山に住む子どもたちがかけてくれた言葉です。何が悲しくて何を感じて涙がでてきたのかは分かりません。ただ言えるのは私が見たものは言葉にできないほど大きな問題を抱えていました。
「途上国の現実を肌で感じて、世界中の子どもの写真を撮りたい!」と思い、友達から紹介を受けていたフィリピンスタディーツアーに今年の夏、私は初めて参加しました。
  8月17日から8月26日までの9日間フィリピンのマラボン市にあるマニラに行っていろんな人からたくさんのお話を聴かせてもらいました。
日本軍に性的虐待を受け、さらに家族までを殺された従軍慰安婦さんたち、川岸に住む不法居住者(スクウォッター)の厳しい生活、日本のODA開発によって強制撤去を強いられ貧困に陥った村、悪臭がひどいスモーキーマウンテン(ゴミ山)でゴミ拾いをして生計を立てる人々、日本では信じられないような現実が実際に存在していました。
その中でも私の中で忘れられないで心に残っていること、それは現地の貧困層の中で暮らす子どもたちの笑顔でした。彼らの暮らしはお世辞でも良いものと言えるものではありません。一日3食きっちりとした食事が得られないのは勿論、常に危険と隣合わせの生活を強いられ、政府からはいつ強制撤去させられるか分かりません。そんな環境の中、彼らが持っている人間性は本当に豊かなものでした。元気で優しくて人に対する思いやりがある子どもたちに何度も支えられ、時に救われました。
なぜこんなにも豊かな人間性が形成されているのか。それは家族や地域のコミュニティーからできるものだと感じました。彼らは貧しく一人では生きていけません。それなので家族や地域で支えあって日々生活しています。その地域での関わりの中で形成される一人ひとりの人間性こそが彼らをあそこまで笑顔にしているのではないかと思います。これは日本でも言えることで、私たちの身近な人たちの繋がりがなければ本当の幸せや心の安心を見つけることはできないのではないかと感じました。
今回、私がこのスタディーツアーに行けたのは根本的な家族の支えがあったからだと思います。家族の理解があり大学に行かせてもらっているので、こういった自分の興味分野に専念することができました。大学に入って未来が見えず道に迷った時、「今、自分がしたいことをすることがこれからの未来に繋がる!」そう思えるようになったのは大学に入ったからでした。今は自分が本当にやりたいことを見つけることができ、その夢に向かって前を向いて進んでいこうと思います。感謝の気持ちを忘れずに。(^^)