私はこの夏、カンボジアのシェムリアップという州に行ってきた。
カンボジアの現状をこの目で見て、身体で感じた、とても貴重な8日間だった。
みなさんはカンボジアの歴史でもっとも、悲惨で無残であったと言われている「ポル・ポト時代」を知っているだろうか?
1975年から約4年間、それまで常識とされていたことが全く通用しなくなっていった。
ポル・ポト軍はすべての人を平等にするために、畑を耕して農業をするという原始共産主義社会を理想国家として建設し、学校を禁止し、書物を焼き、仏教を禁止した。
そして、教師・医師・芸術家・警察官・僧侶などの知識人はすべて敵とみなされ、次々に虐殺されていった。他の人々も何かしらの理由をつけて虐殺された。
私は現地へ行き、今のカンボジアの現状はすべて歴史と結びついていることがわかった。私は孤児院で子どもたちと過ごした。そこの孤児院にいる子どもたちは教育を受けていない親から虐待を受けてしまったり、育児放棄をされたり、また交通事故で両親を失った兄弟など、様々な理由から孤児院で暮らしている。
カンボジアには虐待・孤児が多い――それはなぜか?

ポル・ポト時代、大虐殺で親を失ったたくさんの子どもたちが、親からの愛情を受けられずにそのまま大人になり、自分が子どもを持つようになった時、子どもに愛情を与えることができず、虐待などの様々な問題が生じている。つまり、親が過酷な時代に生きていたから、子どもへの愛し方がわからない、こういう現状がある。
しかし、様々なバックグランドを抱えているにも関わらず子どもたちの目はキラキラしていた。夢や希望を持ち毎日を一生懸命生きていた。その笑顔の裏にはきっと辛いことがいっぱいあったに違いないのに、確かに将来を見据え、たくましく前を向いて生きている子どもたちに胸を打たれた。子どもたちは孤児院にいる園長さんのことを「お母さん」と呼んでいて、園長さんも一人ひとりをわが子のように愛情を注いでいるのがわかった。そして何日か一緒に過ごしていくうちに子どもたちの笑顔は本物だと感じるようになった。だから、この子どもたちが大人になったとき虐待は繰り返されないのでないかと希望を持った。孤児院の子どもたちは生きることの大切さを知っている。人への感謝の気持ちを強くもっている。私はボランティアに行ったのだが、実際は笑顔を与えてもらい、自分を見つめ直させてもらい、学ぶことのほうが多かったように感じた。
「地雷博物館・キリングフィールド・リハビリテーションセンター」に行った。
地雷博物館は実際に埋められていた本物の地雷の火薬を抜いて数多く展覧している。世界にはまだまだ多くの地雷が埋められている。世界中の地雷を撤去するのには100年もかかるといわれているらしい。リハビリテーションセンターでは地雷の被害で義足になってしまった人だけではなく、交通整備がされず、信号が少なく交通事故が多発し、その事故に遭ってしまった人たちのリハビリも行っている。
そして、ポル・ポト時代大虐殺が行われた場所「キリングフィールド」へも行った。