学生インタビュー

スポーツ×栄養の出会いの連鎖

スポーツ×栄養の出会いの連鎖

K.Nさん

Personal Data

在籍学科

食物栄養学科

出身高校

大阪府立日根野高等学校

憧れの人物

本田圭佑

よく遊ぶ場所

決まっていない

おすすめの映画、テレビ番組

グレイテスト・ショーマン、ボクの妻と結婚してください

好きなブランド

なし

アルバイトの職種

フィットネスジム(プール監視、トレーニングジムでマシンの使い方説明)

1ヵ月のバイト代

4万円くらい

僕たちには選手のサポートしかできない。
双方の信頼関係を築くことが何より重要だと感じました。

スポーツ栄養士を志すことになったきっかけは?

実は、そんなに大きなきっかけがあったわけではないんです。高3で進路希望調査表を提出する時期になっても、将来何になりたいか、どんな分野の勉強がしたいかということがまったく見えてこなかったんです。進路指導室でいろいろな学部や職業の情報を調べているうちに、管理栄養士という仕事に目が留まって。提出期限になっても、それ以上に興味が湧く分野も見つからず、そのまま書いて提出しました。「スポーツ栄養士」という仕事があることを知ったのは、大学に入ってから。2回生の夏に、偶然、テレビでスポーツ栄養士の仕事を紹介するドキュメンタリー番組を見て、興味を持つようになりました。元々、スポーツが好きだったこともあり、アルバイト先もフィットネスジム。バイト先の先輩にその番組の話をしたところ、8月に「日本スポーツ栄養学会」の大会が開催されることを教えてくれたんです。会場は東京だったのですが、迷わず参加してみようと思いました。講演内容やシンポジウムのテーマは、専門的で難しい内容も多かったんですが、スポーツ栄養士の方々にお話を直接聞けたり、スポーツ栄養に興味がある他大学の学生と交流できたり。スポーツ栄養士になるために必要な活動やノウハウを共有できたことは、今後への大きな財産になりました。

学会への参加から、何かが変わりましたか?

もっといろいろな活動をしてみたいと思いました。まずは同志を探して、何をしようか話し合った結果、「スポーツ栄養献立研究」という同好会を立ち上げることにしました。顧問の先生を探すことには苦労しましたが、9人目でようやく食物栄養学科の池田先生が引き受けてくださり、夏休み明けには会を発足させることができました。現在、部員は12名。おもな活動内容は、子どもたちを対象にした栄養講習会の実施です。少年サッカーチームのコーチから依頼を受け、練習を終えた子どもたちに体の成長や疲労回復のために気をつけたい食事のメニューや食べるタイミングをレクチャーしています。僕は、中学まで野球部で、現在も草野球をやっているのですが、大学に入るまでは栄養バランスなんて気にしたこともなかったんです。でも、小さい頃から栄養の知識を持ち、食生活に気をつけることで、よりフィジカルの強い選手になれるかもしれません。そのためには、少しでも早い段階で、栄養の重要性に気付いてもらうことが大切です。子どもたちには、少しでも興味を持って聞いてもらえるように、講習の内容や話し方には工夫を凝らしています。

オリックス・バファローズの選手寮

学会への参加から、何かが変わりましたか?

もっといろいろな活動をしてみたいと思いました。まずは同志を探して、何をしようか話し合った結果、「スポーツ栄養献立研究」という同好会を立ち上げることにしました。顧問の先生を探すことには苦労しましたが、9人目でようやく食物栄養学科の池田先生が引き受けてくださり、夏休み明けには会を発足させることができました。現在、部員は12名。おもな活動内容は、子どもたちを対象にした栄養講習会の実施です。少年サッカーチームのコーチから依頼を受け、練習を終えた子どもたちに体の成長や疲労回復のために気をつけたい食事のメニューや食べるタイミングをレクチャーしています。僕は、中学まで野球部で、現在も草野球をやっているのですが、大学に入るまでは栄養バランスなんて気にしたこともなかったんです。でも、小さい頃から栄養の知識を持ち、食生活に気をつけることで、よりフィジカルの強い選手になれるかもしれません。そのためには、少しでも早い段階で、栄養の重要性に気付いてもらうことが大切です。子どもたちには、少しでも興味を持って聞いてもらえるように、講習の内容や話し方には工夫を凝らしています。

活躍の場は、どんどん広がっているそうですね。

ジムの先輩の紹介で、競技エアロビック選手の栄養サポートを半年ほど担当させてもらいました。まずは、選手の体の状態をしっかりとヒアリングし、「疲労の回復が遅い」という課題を抽出。栄養面からどんなアプローチができるかを検討するため、普段の食事内容や摂取のタイミングなどを詳しく教えてもらうと、ほとんどエネルギーを摂っていないことがわかりました。素早い疲労回復には運動直後にエネルギーとなる炭水化物とタンパク質の摂取が重要であることを説明し、練習後におにぎりや玉子焼きを食べてもらうよう提案。食事の改善を試みてもらった結果、疲労の回復が早くなり、疲れも溜まりにくくなったと聞くことができ、自分たちの提案が少しでも選手のプラスになったことが嬉しかったです。実際にプロのスポーツ選手と関わるなかで実感できたことですが、僕たちには選手のサポートしかできないんです。効果的なメニューや摂取方法を考えて提案することはできても、その提案を実行してもらえるか否かは選手次第。これは栄養士の仕事全般に言えることですが、いくら正しい知識や情報だったとしても、その伝え方や相手への向き合い方一つで、納得して取り組んでもらえないこともあります。コミュニケーションを重ね、双方の信頼関係を築くことが、栄養士にとって何より重要なんだと改めて感じました。同好会の今後については、実践を重ねることで自分たちの経験値を高めるのはもちろん、より多くのスポーツ選手の力になれるように、活動の場を広げたいと思っています。まずは、大学内の各運動部に栄養サポートができないか働きかけていて、第一弾はアイススケート部へのサポートプロジェクトが始まっています。

プロ野球球団とのコラボプロジェクトにも参加されたんですよね。

オリックス・バファローズと食物栄養学科のコラボプロジェクトとして、選手の野菜摂取量を増やすことを目的とした選手寮の食堂メニュー開発に取り組みました。参加学生は各6~7人の4グループに分かれ、「野菜をたくさん摂取する」をテーマにそれぞれにメニューを考案。オリックス・バファローズの管理栄養士の方や関係者の方々を大学に招いて、メニューのコンセプトや工夫した点などをプレゼンし、試食してもらいました。結果、僕たちのグループのメニューが採用されたんです!考案したメニューは「BRAVE SPIRIT CURRY」「クレソン餃子」「ピザサラダ」の3品。カレーやピザといった万人ウケするメニューにたっぷりの野菜を使って、野菜嫌いの人でも食べやすいレシピにしました。クレソンなど風味の強い野菜は、ほかの食材とのバランスを吟味して、野菜っぽさを感じ過ぎないよう、何度も試作を重ねました。

9月には、実際に僕たちが考案したメニューが寮で提供され、選手からも「野菜が苦手でも食べやすい」との評価をいただくことができました。また関係者の方々からは、寮の食堂で提供しやすい、スピーディかつ大量に作れるレシピになっていた点も評価していただいたそうで、給食や食堂などのメニュー開発においては、そういった視点も重要であることに気づかされました。現役のスポーツ栄養士や一流のアスリートに認めてもらえたことは、大きな自信になりました。

同好会の活動

学外の活動にも積極的に参加しているとか。

「日本スポーツ栄養学会」で知り合った方に、「WPP(World Player Project)」を紹介してもらいました。WPPは、栄養士やトレーナーなどスポーツをサポートする側の人材が世界で活躍できるよう育成するべく、やる気のある若者に世界へ挑戦するチャンスを提供したり、国内トップクラスの講師による研修を行ったりしているプロジェクト。今年の5月からはWPPの活動として、「ガンバ大阪アカデミー」での栄養講習などの活動を行っています。ここには、サッカーのプロをめざす幼稚園児から高校生まで数多くのプレイヤーが在籍しています。栄養サポートについて高い意識を持ったスポーツ選手、仲間と交流することで、スポーツ栄養士をめざすモチベーションが高められていることを感じます。

同好会のメンバー

卒業後はスポーツ栄養士をめざすのですか?

スポーツ栄養士になるには、管理栄養士としての経験が必要になります。希望してもすぐになれるわけではないんです。まずは、給食や食堂の現場で働き、実践経験と調理技術を身につけたいと考えています。スポーツ栄養士はフリーでチームや選手個人と契約するケースが多く、栄養指導だけでなく、一人で実際に調理を行うところまで担当できる方が重宝されるそうなんです。また、競技エアロビック選手の栄養サポートに携わらせてもらった際に知ったことなのですが、専属のスポーツ栄養士を雇用するプロ野球などのメジャー競技に比べて、競技人口や知名度の低いスポーツでは、栄養サポートが行き届いていないケースが多いんです。できれば、そういった競技の選手をサポートし、その選手が活躍することで、マイナースポーツの地位向上にも貢献できれば良いなと思っています。オリンピックを目前に控え、スポーツへの注目が高まっている今、可能性は無限にあると思っています。