ジムナストラーダ参加報告

  荒井知子・砂野雪絵・岩出淳子


大会記録


1、MGLA参加者142名(演技参加129名・応援者及び役員13名)
  日本参加 18グループ・759名

2、公式練習日及び練習回数
1998年 4/19.6/21.8/23.11/15.12/20
1999年 1/17.2/21.3/21.4/18.5/16.6/27  全11回

3、発表演技 『Grassland dreams』
・ 第1場面 「咲く花々」 演技でつづる花の絨毯   一般・MGLA(107名)
・ 第2場面「遊ぶ人々」 明るく愉快な動きと交流   シニア・一般 (66名)
・ 第3場面 「遥かなる夢」 時の彼方へ           MGLA (59名)
・ 第4場面 「草原の夢」 夢のフィナーレ          全員 (129名)

4、参加国及び参加人数  参加40カ国,21,045名


5、開催地 スウェーデン イェテボリ
 人口45万人を擁するスウェーデン第2の街で、スカンジナヴィア最大の港がある。1612 年にグスタフ2世アドルフが設立した街で、トラムと運河、豊かな緑が特徴。古くから交易の重要な拠点でもあり、工業も盛んな、活気ある街として知られている。VOLVOの本拠地。

6、現地での行動




参加記録


 7月3日(土)関空10:30発 KLM868便にてアムステルダムへ、乗り換えて目的地イェテボリに現地時間の20:00頃に到着しました。すでに夜の8時だというのにさすがに白夜の国、まだまだ明るい。
 これから1週間ジムナストラーダの始まりです。

1. ホテル
 なんとホテルは船です!もちろん船は固定されているのでゆれはしませんが、川の上に浮いています。船の中の客室なので部屋が狭く2人部屋は2段ベッド、3人部屋は2段ベッドと折りたたみベッドまたは部屋によってはソファーをベッドにする。私達は3人部屋だったのでベッドをセッティングしてスーツケースを3人分部屋に入れるとスペースがほとんどなく、ここに1週間と思うと…。そして、このホテルから最も近いトラムの駅が歩いて約15分とかなり不便。団体で歩くのでまたそれ以上に時間がかかります。現地スウェーデンでは海の近くにある人気のホテルらしい。
 しかし1週間後、ここは私達の「家」になっていました。住めば都です。

2. 開会式〔7月4日〕
 昼から曇りがちで小雨が降って少し肌寒かったが、開会式前には回復しいよいよジムナストラーダの始まりです。開会式では、国別に参加者のほとんどが入場行進をします。フィールドに入場する前から私たちの周りにいるイタリア、ドイツ、イギリスなどの国々は歌を歌い、パフォーマンスありで、大騒ぎ。フィールドに入ると開会式が進められているようだがみんなの歓声でかき消され、また司会が英語?スウェーデン語?のため全然わからない。だけど近くのチーム(オランダ・イタリア)と音楽に合わせて踊る。初めてのジムナストラーダ、楽しさが伝わってくる。フィールドは参加者でいっぱいになり開会式はどんどん盛り上がっていく。
 その後座席に着き、オープニングセレモニーの演技を見ました。

3. 練習会とリハーサル〔7月5日〕
 スポーツホールでの練習会は3回行われた。位置どりなど演技のチェックに本番目前とあって緊張が伝わってくるが、それぞれに旅の疲れもあり演技に張りがなくなっていることも課題となっていた。
 リハーサルは、不思議と緊張はあまりなく、逆に「ああついにここまで来た!」という感動がこみ上げてきました。観客の多さと大きな歓声に圧倒されながら、とても楽しく演技することができました。また、横で演技をしていた飯田先生の手がっ、"黒い!?"……飯田先生は位置取りの確認のためにバタバタとしていたのですっかり手袋をはめるのを忘れられていたようで気づいたときは第2場面でした。本当、ビックリでした。

4. 本番〔7月6・9日〕・シティ―パフォーマンス〔7月10日〕
 本番は2回。リハーサルより立ち位置のことや演技のチェックが入り緊張が増す。観客が入っているかも心配でした。一番大きなホールということもあり観客に入場制限があったためリハーサルよりも観客が少なかったのが残念だった。やはり、本番は間違ってはいけないと思い顔が引きつっているのが分かり、またみんなの緊張感も伝わってきます。しかし演技中、観客からの拍手や、シニアの体操になると観客からの大きな声援、さすがにモッピー体操になるとみんなで歌を歌いながら楽しく演技ができました。今まで長かった15分間があっという間に過ぎました。そして、本番発表2回目のモッピー体操のときに音楽のトラブルが発生しましたが、みんなが動揺を隠し自分たちで歌を歌い最後まで演技したことはいい思い出になりました。みんなのチームワークと練習会の成果が十分に発揮できたと思います。
 この本番演技には以前体操フェスティバルに参加したチーム(グンネルさんなど)が応援に駆けつけてくださいました。また演技終了後、会場の外で多くの海外チームの方々と交流会や、写真撮影を行いました。
 シティーパフォーマンスでは、「2008年オリンピックを大阪に」のはっぴを着て,MGLAのメンバーがモッピー体操を披露しました。私達も周りで声援とまた観客と一体となって「ハッピー!モッピー!」を踊りました。

5. 大会期間中の各国チーム演技・日本チーム演技
 大会期間中、各国の演技発表が日中は室内ではホール1〜8に分かれて、また野外でフィールドパフォーマンス2ヵ所(ガムラウレヴィーとヒーデン)で、シティーパフォーマンスが市内にある4ヶ所(ノードスタンショッピングセンターほか)の特設会場で、夜にはスカンジナビアホールで行われました。
 その中で私たちが見たものはホールでの演技です。以前体操フェスティバルに参加したチームなど、それぞれ楽しいストーリー性のある演技などとても楽しむことができました。また、日本チームでは日本体育大学・筑波大学・国士舘大学の特に男子の新体操演技、アクロバット演技には大変人気があり会場にあふれんばかりの観客と声援はすごいものがありました。海外での人気のずごさに驚きました。私達も席を取るために朝から走りました。
 夜のスカンジナビアホールでは国ごとにその国を代表する演技発表が行われました。私たちが鑑賞したのはスカンジナビアの夕べと日本の夕べ、FIGガーラ(これは大会期間中の優れた演技を集めたもの)です。
 各国の演技で目立つのはやはり、お年寄りの方と中年男性の演技。ユーモアあふれる演技はいつまでも身体を動かすこと、動かせること、そして何より楽しさが伝わってきました。

6. キヨさんと友子さん
 お二人ともスウェーデン人の夫をもつ日本人女性。
 キヨさんは松本先生御夫婦と長いお付き合いがあり、以前、御家族で体操フェスティバル'95にも来て頂いたことがある、スウェーデンの体操リーダーです。今回はジムナストラーダの役員をしておられました。
 友子さんは、現地で通訳などのお仕事をされています。今回帝塚山学院大学・山本正樹先生のパートナー・善積京子さんのご紹介により現地でお食事会を持つことができ、いろいろなスウェーデン情報を聞かせて頂きました。福祉や子供を育てていく上での環境が整っていることなど興味深いお話でした。また、市内の観光・食事場所に困っていた私たちは本当に助かりました。教えていただいたレストランはみんなが利用しました。今大会では日本の他チームの現地添乗、通訳としてお仕事をされていました。

7. 観光(パダン・リーセベリ・市内トラム)
ジムナストラーダ参加者は、大会期間中パスを首からぶら下げて、市内の交通機関、観光船などを無料で乗ることができます。まず始めに乗ったのが市内を走っているトラム(路面電車)です。一番長いトラムでも端から端までが1時間くらいで行けるので気軽に乗ることができます。半日フリーや朝の少しの空時間にトラムの旅をしました。北欧は涼しい、寒いと思っていましたが何と20年ぶりの猛暑になり、冷房設備のないトラムの中は温室状態で少し暑かったです。
 観光船パダンはイェテボリの市内を流れる運河を船でめぐります。途中、とても低い橋がありみんなで揃ってしゃがみました。
同じくパダンの観光バス(屋根がない)があり続いて陸上から市内を観光しました。この日はとても天気が良くどちらもすばらしい景色を楽しみました。
 リーセベリはスカンジナヴィア半島最大の遊園地です。そこで乗ったジェットコースターはすさまじく、途中息も出来ないくらい恐かったです。でも楽しかったです。時間がなく全てをまわることができなかったのがとても残念でした。

8. 食事
 朝は、ホテルでのバイキング。ゆで卵が3分と7分を選べたがその日によって、柔らかすぎたり固すぎたり。なぜか私達の行く時間には野菜がなく、とても野菜が恋しかった。
 昼は、大会からもらったチケットで食事会場でパスタor魚(肉)料理の選択。味は程々。パンに関しては、見かけが給食に出てくるようなコッペパンであっても、食べると美味しかったです。日本に「北欧」というパン屋さんがあるのも納得でしょうか。朝も、昼も同じようなもので少し飽きました。
 夜は、最初のうちはどこに行けばいいかお店が分からず苦労しましたが、友子さんに教えていただいたお店に行き中華、えび料理などの食事をしました。どこもおいしく、野菜を食べることが出来たのでとても感謝しました。

9. 交換会
 オリンピックでバッチの交換がとても人気があることを知っていたが、この 大会においてもそれは行われました。しかし私達が持っているバッチは日本体操協会からのバッチと大阪オリンピック招致のバッチの2つのみ。現地で、急きょ調達したり、私達が持っていた"うちわ"(これは大人気)や"折り紙"と交換したりして、帰るときにはかなりのバッチ好きに変身。10個以上になっていました。
 また、私達が着ていった日本のユニホームは海外では大変な人気。ジャンパ ーは「プラスチックジャンパー」(光沢があったので)と呼ばれ、みんなが換えて欲しいと寄ってくる。そうなるとこちらも気に入った国のユニホームと変えたくなり必死に「Change! Change!」といってみるが、希望する国とはなかなか換えることが出来なかった。最終的にはドイツ、スイスチームのユニホームと交換し大満足でした。Tシャツもスイスチームなどと交換しました。実を言うと日本のユニホームの品質があまりよくなく、海外チームのユニホームは「アディダス」などの製品だったので、まさにわらしべ長者の気分でした。

  10. スウェーデン・北欧のこんな事
 スウェーデンはご存知の通りVOLVOの国。イェテボリ市はそのまた本拠地でもあります。当たり前ですが、いっぱいVOLVOが走っているし、日本で見かける高級外車もいっぱいで、もちろんタクシーも外車(あちらでは国産車ですが…)。車は、夏の白夜とは反対に冬になると日が昇らなくなり暗いこともあるので赤、黄色などの明るい色が多く、そして事故防止のため昼からライトは点灯したままで走ることになっています。また、市内への車の乗り入れの規制や、住宅街には道路に段差をつけるなどして(車のスピードを抑える)、高齢者や障害者の人々も安心して歩けるような街づくりがされていました。さすがに福祉の充実した国スウェーデンです。しかし私たちが乗ったタクシー(ちなみにフォルクスワーゲン社のパサートだったと思う)は、とても荒い運転でした。
 帰りに観光で立ち寄ったストックホルムでは地下鉄が防空壕になっているらしく、かなり深い場所に走っています。はじめはエスカレーターがあまりにも長く下に下に伸びていて暗いところにあるし、人が少なく静かでとても寒かったのでびっくりしたが、ホームは各線によって赤・緑・青に塗り分けられ絵が描かれていました。乗った電車でスウェーデンの男の子に日本語で突然声をかけられ、「僕たちは日本語を習っています」と言われまたまたびっくりでした。とても流暢で感心しました。とても遠いと思っていた北欧がとても近く身近に感じられました。
帰りの電車を乗り間違えて乗りかえるのに(待ち合わせの時間ぎりぎりであせっていた)長い長いエスカレーターを上り下りするのがとても大変でした。  北欧全体としてはかなり治安のいいところだと感じました。皆さんも一度訪れてください。

 次回、ジムナストラーダは2003年にポルトガルのリスボンにて開催されます。
 ぜひ、皆さんも参加されることをお勧めします。


  
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