ぱすてる通信 vol.3 (1995.3発行)
  1. 表情美人  宮下千代子


  2. 大阪弁と京都弁  吉川千賀子




表情美人  宮下千代子

 電車の中で時折、すごく素敵な表情の年配の方を見かけることがあります。暖かさが伝わってくるようなその表情に、その方のこれまでの生き方を勝手に想像してしまって・・・きっと、幸せで充実した人生を送ってこられたのだろうと、私は一人でうれしくなっているのです。
 人間同じ事を体験しても、それを幸せと思える人もいれば、不幸と思う人もいるでしょう。
 その受け止め方の違いが、表情に出て、長い間の積み重ねで性格となり、顔を作っていくのだとしたら・・・顔の造作の良し悪しより、与えられた自分の環境に喜びを見出せることのほうが“表情美人”になれるのでは・・・と思うのです。
 “表情美人”は作られるのなら、努力する価値あり。
何事にも感謝して、楽しく過ごす努力をすれば、来年の体操フェスティバルにも間に合います。皆さん“表情美人”でビデオに写って、パステルは最高と言われるのも夢ではありません。頑張りましょう!!!




大阪弁と京都弁  吉川千賀子

 私は京都生まれ、そして夫は大阪生まれ。結婚するまでは、大阪弁と京都弁の違いなどはほとんどないように思っていたし気にもならなかった。「〜やねん」とか「〜どす」というような言い回しの違いは誰でも知っている。しかし大阪生まれの人と一緒に暮らしてみると、思っていもいなかった言葉のいくつかがどうも微妙にイントネーションが異なるらしいのを発見することになった。
 それは夫がそういう言葉が出てくるたびにいちいち指摘する男だからで、少しくらいイントネーションが違っていても別にどうと言う事もないのに、小さい時から使ってきた言葉が間違っているなどと言われるのは妙に自尊心を傷つけられるような気がして心外に感じられてならない。それで、そのときは互いに自分の発音が正しいのだと主張し合って譲らず平行線に終わるのだが、どうも気になって何かの機会に人に尋ねてみると両方とも正しいことが分かる場合が多い。つまり同じ関西弁で大阪と京都という隣接する場所なのに、どういう経緯からかはわからないながら、イントネーションが違ってしまった言葉がいくつかあるらしい。
 今のところ私たちが発見したそういう言葉に、「花火」「地震」「すずり」「めがね」あたりがある。文章ではその違いが書き表せないのが残念だが、他にもありそうなので、追々見つけてゆきたく思っている。ちょっとした違いでしかないし、別に十分意味が通じるのだから、そんな言葉を見つけたところでなんて事もないのだが、どうも気にし始めると気になるものだ。
 おそらく変なところにこだわる変な夫と暮らすことになったからであろうが、でも“言葉”って気にすると結構面白いなという気もし始めている。




ぱすてる通信トップページに戻る