アセスメント・プラン

1.アセスメント・プランの目的

本プランは、本学で定める3つのポリシーが適切であるかどうか、また、本学の教育カリキュラムが3つのポリシーに基づき適切に機能しているかを、多面的・総合的に点検・評価し、必要な改善に繋げることを目的とする。

2.アセスメント対象

アセスメントは、授業レベル、カリキュラムレベルにおいて、次の基本構成により実施する。
なお、機関(大学)レベルのアセスメントは、各項目をもとに、総合的に実施するものとする。

  1. アドミッション・ポリシーで示した資質能力の適切性
  2. カリキュラム・ポリシーに基づき設計されたカリキュラムの適切性(設計・実行・学修成果)
  3. ディプロマ・ポリシーで示した資質能力の適切性

3.アセスメントの実施方法・項目

「アセスメント・チェックリスト」に基づく。

4.アセスメント結果を活用し改善に繋げるためのシステム

  1. 各組織・委員会は、「アセスメント・チェックリスト」の担当に基づき、アセスメント活動を実施する。
  2. 各組織・委員会は、アセスメント結果、充実・改善方策案を「アセスメント・チェックリスト」で定められた報告月に大学評議会へ報告する。
  3. 大学評議会は、アセスメント結果、各組織・委員会から出された充実・改善方策案の適切性を評価し、充実・改善方策の承認を行う。
  4. 各組織・委員会は、大学評議会の承認を受けた充実・改善方策に基づき、教育活動の充実・改善活動に取り組む。
    ※アセスメントには必要に応じて各種IRデータを活用する。
    ※学長は、アセスメント結果を取り扱う大学評議会に、評議員以外の当該アセスメントの実施に必要な教職員を参加させることができる。

5.成績評価の基準

成績の評価は、秀、優、良、可、認定及び不可、欠席で表し、以下の評価基準に則り、評価を行う。秀、優、良、可、認定の評価を得たものを合格とし、単位を授与する。

評価 評価基準 判定
100~90点 到達目標を十分に達成し、優秀な成果をおさめているか、または修得した力を展開できる。 合格
89~80点 到達目標を十分に達成している。
79~70点 到達目標を相応に達成している。
69~60点 到達目標を最低限達成している。
認定 他大学等で修得した科目、所定の学外活動を本学単位として認定した科目 等
不可 59~0点 到達目標を達成していない。 不合格
失格 授業時間数の3分の1以上を欠席し、担当教員より失格と評価された科目

6.ディプロマ・ポリシー及びカリキュラム・ポリシーに基づく学修成果とアセスメント構成

ディプロマ・ポリシーを「帝塚山学院大学生の10のちから」に、カリキュラム・ポリシーを「学位プログラムツリー」と「カリキュラム・マップ」に具体化し、多面的・総合的に評価を行う。

ディプロマ・ポリシーと「帝塚山学院大学生の10のちから」の関係性

ディプロマ・ポリシー 帝塚山学院大学生の10のちから ちからの説明 育成アプローチ
市民としての教養と多様性への理解を身につけていること。 ①教養力 現代を生きる社会人としての教養と知識・技能を修得し、活用できる 主に授業内容(知識・技能)
専門的素養を身につけていること。 ②専門力 学位プログラム(各学科・課程の教育課程)の専門知識・技能を修得し、活用できる
論理的に考え、的確に表現する力を身につけていること。 ③情報収集・分析力 多様な情報源から、確かな情報を集めて、分析し活用できる 主に授業手法(汎用的能力)
④論理的思考・表現力 論理的に考え、結論を導いたり、あるいは、複雑な事柄を分かりやすく説明したりできる
他者と協働し、課題を解決する力を身につけていること。 ⑤コミュニケーション力 他者に自分の意見を適切に伝えることができ、互いに理解しあって、信頼関係を築いて協働できる
⑥問題解決力 問題解決において、その方法を主体的に考え、工夫しながら解決に導ける
自らを理解し、目標を立て、実現に向けて、持続的に取り組むことができること。 ⑦自己理解力 自分自身を客観的・冷静にとらえて、自分の特徴、強みや弱み理解し、成長目標を立てられる
⑧主体的行動力 学修場面、あるいは日常生活において、主体的に目標・目的をたて、挑戦・実行し、最後までやり抜ける
公共性と倫理性を持ち、社会・地域に貢献する意欲があること。 ⑨倫理性と自律力 社会人として必要な倫理性を備えながら、自律した一人の人間として社会に参画できる
⑩地域貢献力 社会・地域の課題や状況を理解し、その解決と発展のために積極的に関与できる

「帝塚山学院大学生の10のちから」を用いたアセスメントのアプローチ及びカリキュラムの設計手法

DP及びCPに基づく学修成果 帝塚山学院大学生の10のちから
全体
(知識・技能+汎用的能力)
内 ①教養力 ②専門力※
(知識・技能)
アセスメントの
アプローチ
方針 カリキュラム単位で総合的に実施 科目単位の積み上げにより実施
直接評価 教員による10のちからに対する修得度評価(全学DPルーブリック評価) 教員による科目単位での成績評価
間接評価 10のちからに対する学生の達成度自己評価(全学DPルーブリック評価) 科目の到達目標に対する学生の達成度自己評価
カリキュラムの
設計手法
整理 方法 10のちからと各科目の関係を整理 教養力、専門力を中心にCPに定めた教育内容(知識・技能)と各科目の関係を整理
ツール カリキュラム・マップ 学位プログラムツリー

※①教養力と②専門力は双方のアプローチ、設計手法を用いている。

7.ディプロマ・ポリシー及びカリキュラム・ポリシーに基づく学修成果の基準

ディプロマ・ポリシー及びカリキュラム・ポリシーに基づく学修成果は、ディプロマ・ポリシールーブリックの基準に則り、「帝塚山学院大学生の10のちから」を用いて評価を行う。以下のルーブリックのレベル3を卒業時到達目標とする。

10のちから レベル4 レベル3(卒業時到達レベル) レベル2 レベル1
①教養力 学位プログラムに基づく基盤教育科目を体系的に履修し、卒業に必要な単位数を修得するとともに、学修内容に対して自分の知見や考えを持ち、社会人としての教養と知識・技能を活用できる。 学位プログラムに基づく基盤教育科目を体系的に履修し、卒業に必要な単位数を修得するとともに、社会人としての教養と知識・技能を身につけている。 学位プログラムに基づく基盤教育科目について、必修科目を修得し、基本的な一般的知識・技能を身につけている。 学位プログラムに基づく基盤教育科目について、初年次に配当された基礎的科目を修得している。
②専門力 学位プログラムに基づく専門科目を体系的に履修し、卒業に必要な単位数を修得するとともに、学修した専門知識・技能を活用した研究を発表できる。 学位プログラムに基づく専門科目について体系的に履修し、卒業に必要な単位数を修得するとともに、社会人として生かしていける専門知識・技能を身につけている。 学位プログラムに基づく専門科目について、興味のある科目や属する学年の必修科目を修得し、基本的な知識・技能を身につけている。 学位プログラムに基づく専門科目について、初年次に配当された基礎的科目を修得している。
③情報収集・分析力
幅広い情報源から、最適で確かな情報を集め、情報を整理・統合・分析して論理的思考につなげられる。
複数の手法で情報を収集し、整理・統合できる。
複数の手法で情報を収集し、要点を整理できる。
具体的な指示に従って、情報を収集できる。
情報を整理・統合・分析するために各種ソフトを効果的に活用できる。
情報を整理・統合するために、各種ソフトを活用できる。
ICT機器や主要ソフトを用いて、文書やプレゼンファイルとして情報収集・整理結果を示せる。
ICT機器や主要ソフトの基本的操作ができる。
④論理的思考・表現力
複雑な事象に対して、根拠を重ねて論理的に考え、一定の説得力をもった自らの結論を導ける。
やや複雑な事象に対して、根拠に基づいた論理的な意見や判断を導ける。
事実や他者の意見を根拠として示しつつ、意見や判断を示せる。
ものごとを客観的に捉え、事実と意見を区別できる。
複雑な事柄について、問題の詳細と自分の知見や考えを、論理的かつわかりやすく表現できる。
やや複雑な事柄について、問題の概要と自分の知見や考えを、わかりやすく表現できる。
文章表現・口頭表現のルールに従って、身近な事柄について、問題の概要と自分の知見や考えを整理して表現できる。
文章表現・口頭表現のルールに従って、身近な事柄について自分の知見や考えを表現できる。
⑤コミュニケーション力 今後の社会生活で直面する諸場面で、異なる文化や価値観の人々と、互いに理解しあって、信頼関係を築き協働していく素地ができている。 他者に自分の意見を適切に伝えることができ、互いに理解しあって、信頼関係を築いて協働できる。 他者と意見を交わしながら、一定の目的に向かって協働できる。 他者の発言を聞いた上で、自分の意見を伝えられる。
⑥問題解決力 今後の社会生活で直面する諸場面で、課題解決の方法を主体的に考えて実行し、自己評価をもとに改善していく素地ができている。 学修場面、あるいは日常生活での課題に対して、その解決方法を主体的に考えて実行し、結果を自己評価できる。 学修場面、あるいは日常生活での課題に対して、その解決方法を考え、実行できる。 学修場面、あるいは日常生活での課題に対して、その解決方法を考え、提案できる。
⑦自己理解力 今後の社会生活で直面する諸場面で、自分自身を常に客観的・冷静にとらえ、自己理解のもとに成長目標を見直していく素地ができている。 経験をもとに自分自身を客観的・冷静にとらえて、自分の特徴、強みや弱みを理解し、これからの成長目標を立てられる。 自分の特徴、強みや弱み、自身の成長を実際の経験を基に他者に説明できる。 授業や学内外の活動を通じて、自らの興味関心や特徴、長所や短所について自分なりに把握している。
⑧主体的行動力 今後の社会生活で直面する諸場面で、主体的に目標・目的をたて、挑戦・実行し、最後までやり抜いていく素地ができている。 学修場面、あるいは日常生活で、主体的に目標・目的をたて、挑戦・実行し、最後までやり抜ける。 学修場面、あるいは日常生活で、やらなければならないことを、自主的に計画を立て、実行できる。 学修場面、あるいは日常生活で、やらなければならないことを、自主的に実行できる。
⑨倫理性と自律力 今後の社会生活において、社会のルールを理解した上で、自身の倫理的視点を常に意識し、自律した一人の人間として、様々な場面における判断・行動に反映していく素地ができている。 社会のルールを理解した上で、自身の倫理的視点を常に意識し、自律的に個々の場面における判断・行動に反映できる。 自身が取るべき行動規範について考え、倫理的視点と結びつけて説明できる。社会のルールを理解し、自分を律して、様々な場面においてTPOに合わせた言葉遣いや態度を取れる。 現在自身が持っている倫理的視点について説明できる。自分を律して、大学生活や受講のマナーを理解し守れる。
⑩地域貢献力 今後の社会生活において、社会・地域の課題や状況を理解し、その解決と発展のために積極的に関与する意欲と行動力を備えている。 社会・地域の諸問題について、他者と協力しながら、その解決と発展のために積極的に関与できる。 身近な範囲の問題や課題を解決するために、他者と関わって行動できる。 身近な範囲の問題や課題に気づき、その解決策を考える意欲がある。