■臨床心理学専攻
■産業心理学専攻
■健康・発達科学専攻
それぞれの資格に特化した専攻で、資格取得に向け専門性を高めることができます。同じ志を持った仲間が互いに刺激し合える環境のもと、多くの卒業生が対人援助職に就いています。
学問の実社会への応用をモットーに、教育やビジネスなど幅広い場面で役立つ実践的な学びを提供しています。現場を体感できる実習も充実。なかでも公認心理師志望学生を対象とした実習の行き先は、児童養護施設や病院、NPO法人など多彩です。
全国に160以上ある臨床心理士養成指定校のうち、5校しかない専門職大学院。即戦力人材育成のための豊富な現場実習時間が特徴です。進学希望の学部生には、専門科目や英語の勉強会、大学院生との交流会など、手厚いサポートを準備しています。
心のしくみを
科学的に実証する。
みなさんは「心理学」と聞くと、どんなイメージを持ちますか?人の心が読めそうなど、何となく怪しいようなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
心理学は「心」という字の通り、人間の心について研究する学問です。私たちが普段当たり前のように行っている、見る、聞く、話す、覚える、考える、学ぶ、などの行為は、すべて心のはたらきが表面にあらわれたものです。例えば、「明るい性格」という場合、心理学では物理的な明るさではなく「明るい性格が反映した振る舞い」のことを指します。意思のある行為だけでなく、無意識の仕草や行動にも心のはたらきがあらわれています。これらをさまざまな手法を用いて分析してまとめ、「心のしくみ」を科学的に実証する学問が心理学なのです。人間の行動のほぼすべてが研究対象となるため、産業心理学や臨床心理学など心理学が活用される分野は多岐にわたります。
近年では、脳の機能という普遍的な法則をベースに基礎研究がまとめられ、さまざまな学術分野や領域に心理学は広がっています。産業や医療はもちろん、マーケティングや経営の場面でも心理学は取り入れられ発展を続けています。他人はもちろん、自分自身の心のはたらきを知る指針ともなり、今や心理学は社会になくてはならない学問であると言えるでしょう。
心という「目に見えない部分」を、行動という「目に見える」情報から紐解き、解明することが心理学の面白さです。みなさんも、心理学の世界で人間の「心」にふれてみませんか。
私たち人間にとって心理学は、切っても切り離せない重要なテーマ。本学では「臨床心理学」と「産業心理学」、そして2023年度から「健康・発達科学専攻」を加えた3つの専攻で多様な人間の心に迫り、解き明かしていきます。臨床心理学専攻では、子どもや大人のこころの病や発達の問題などを学び、その援助法について考察、カウンセラーなどの対人援助の仕事に。産業心理学専攻では、消費者行動や社会・集団での心理学について学びを深め、人の心の動きと行動を分析し、企業や社会で活躍する人材に。また「スイーツ心理学®」という本学独 自の学びも展開しています。健康・発達科学専攻では、メンタルヘルスやポジティブ心理学、こども学を学び、子どもを支援する施設や、地域社会で人びとの健康的な暮らしに貢献する人材を目指します。
心の痛みを抱えている人も、そうでない人もより活き活きとした暮らしができるように、心理学を活かして地域・社会で貢献する人を目指すのが「健康・発達科学専攻」です。その学びは「ポジティブ心理学」「ジェンダー論」「こども学」「地域連携実践演習」などメンタルヘルスから発達、地域社会まで幅が広い学びとなり、資格では「社会教育士※」の取得を目指します。活躍のフィールドは「子ども」「行政」「NPO」「企業」など、専攻での学びを活かして、どのような場面でも活躍することが期待できます。
子どもたちの成長過程に存在するジェンダーの問題について考える科目が「子どもとジェンダー」です。授業では、子どもたちが過ごす家庭や学校、子どもたちの身近にあるおもちゃや絵本、アニメなどをジェンダーの視点から捉え直していきます。
私たちは生き甲斐を求め、より良い人生や自己の実現を目指します。そこに心理学を活かす学問分野・科目が「ポジティブ心理学」です。好きなアーティストの存在が心の支えになっている人はいませんか?その心理や効用を探るのもポジティブ心理学の1つの例です。
地域のつながりの希薄化、空き店舗が増える商店街、子育てや介護が生む孤立、居場所の無い子ども・若者、国籍の違いや障害の有無などによる分断など、私たちのまちや暮らしには、さまざまな課題が山積しています。
私たちを取り巻く地域の課題を解決し続けていくためには、一人ひとりが当事者意識を持って、地域活動や市民活動に参画することが求められています。しかし、地域活動や市民活動に参画することは多くの人にとって身近なことではありません。
「社会教育士」は、自分たちの暮らす地域を面白くしたい、新たな人ともっと出会いたい、多様な人ともっとつながりながら活動したい、という前向きな気持ちになれるきっかけとしての「学び」の機会を、社会のいたるところに仕掛け、豊かな地域づくりへの展開を支援する専門人材です。
心理学科
大本 浩司先生
本学科では、心理学の理論に留まらず、その知見をもとに実社会の課題を解決する力を身につけることができます。心理学を学ぶことを通じて、内省力、言語概念化能力に優れ、他者と協働し、さまざまな課題を解決できる人材へと成長してもらいたいと思います。
具体的には、1・2回生において、自己理解・他者理解に基づいて人間関係を築く力を身につけるとともに、心理学的な物の見方や考え方、さらには統計を学ぶことで科学的な思考スキルを修得します。その後、各専攻での専門性の高い学びを通じて「人に寄り添い心をケアする対人援助力」「人間の認知・行動の法則をビジネスの世界へ応用する力」などを身につけることとなります。
※カリキュラムは変更になる可能性があります。
K.Aさん [3回生]
中学の頃に抱いていた疑問が発端となり心理学に興味を持ちました。それは、日本に自殺者が多いことを知り、「比較的豊かな国に生まれ、身体も健康なのに、なぜ死ぬのか?」と不思議に思ったことです。大学で心理学の根幹である臨床心理学を専攻し、さまざまな知識や技術を習得したことで、心の状態や仕組みについて考える姿勢が身につきました。現在は、大学院試験の勉強中。将来はダブルライセンスを取得し、生き辛さを感じている青少年たちの心理面を多角的な視点で捉え、支えられる人になることが目標です。
T.Aさん [3回生]
スクールカウンセラーをめざしていた入学当初は臨床心理学を専攻するつもりでしたが、1回生の頃にあるビジネスを始めたことで価値観が大きく変化。産業場面で心理学を応用したいと考えるようになりました。授業で学んだことを応用し、クラウドファンディングで富裕層向けのサイン作成事業を起業することが出来ました。今後の課題は、マーケティングについてより広く深い知識を身につけ、付加価値を創造すること。「人はどんな場面で何に対して価値を感じるか」についてさらに学びを深めていきたいです。
2018年度に誕生した、日本で初めての心理援助に関わる国家資格が「公認心理師」です。一方、すでに社会によく知られた心理援助職として「臨床心理士」という資格があります。本学大学院でも養成している臨床心理士は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会による資格であり、誕生して30年という歴史を持っています。また20年以上にわたって文部科学省のスクールカウンセラー制度に関わってきた歴史を持ち、教育・医療を中心に福祉・司法・産業領域等でも活躍しています。公認心理師は心理援助に関わる国家資格として、さらに活躍の領域を広げ、社会から求められる人材になることが期待されています。
※公認心理師は「業務独占資格」ではなく「名称独占資格」なので、臨床心理士が公認
心理師によってその仕事を独占されることはありません。
※1 4年制大学において法令で定める科目を履修
※2 日本臨床心理士資格認定協会より 2020年11月1日時点
名称 | 公認心理師 | 臨床心理士 |
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資格認定 | 国家資格(文部科学大臣・厚生労働大臣) | 民間資格(公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会) |
医師との関係 | 主治医の「指示」 | 医師との「連携」 |
更新制度 | 更新制度なし | 5年更新 |
主な受験者資格取得条件 | 公認心理師カリキュラムに基づいた学部・大学院での心理学系科目の修得。 | 臨床心理士指定大学院・専門職大学院の修了。 ※学部は心理学系の学部卒である必要なし |
本学併設の大学院は「専門職大学院」です。
専門職大学院 |
全国で5校のみ 多様化に対応できる高度専門職業人となる臨床心理士の養成が目的 |
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指定大学院 | 第一種指定校 156 校、第二種指定校9校 一定の専門水準レベルの臨床心理士の養成が目的 |
①大学院修了後、即、実践の場で活躍できるよう、2年間で平均540時間に及ぶ豊富な現場実習時間が確保されています。
②大学院修士課程で必要となる「修士論文」の提出が不要(事例研究総括レポート有)。臨床心理士資格認定試験では、論文試験が免除となります。
③専門職の学位が取得できます。
M.Sさん[3回生]
公認心理師資格には国家資格であるという信頼があり、臨床心理士資格には、公認心理師ができる以前から存在し、心理職の地盤を築いてきたという信頼があります。幅広いスキルの修得はもちろん、信頼度も高まり、就職や心理職としての活動に役立つと考え、ダブルライセンスの取得をめざそうと思いました。取得のためにはまず大学院に進学する必要があるため、入試に向けての勉強と大学の授業や課題を両立させることに奮闘しています。大変ですが、頑張れるのは、大学院生が主体となって行われる「大学院入試対策講座」のおかげ。進学に向けての勉強はもちろん、大学院や入試に向けての勉強方法に関するアドバイスを大学院生から直接受けることができ、とても役立っています。併設の大学院は専門職大学院のため、「現場で活躍するプロフェショナル」を育成することに特化。実習や心理査定の演習などが多く、実践的な学びが充実していると思います。将来は、ダブルライセンスを活かし、心に問題を抱える人に寄り添い、支援していけるようになりたいです。
[推奨資格]
人間の心は行動によって測られますが、特にこの授業では、社会心理学的なアプローチによって人の心を捉えるための手法を学びます。社会心理学の研究トピックを用いて、グループで研究計画を考え、調査・実験を実施し、データの分析・報告を行います。実習を通して、社会心理学について理解を深めると同時に、卒業研究で必要となる調査・実験レポートの作成技術を身につけることを目標としています。
人間の心理・行動・社会の諸現象を心理学的に理解し、分析・判断することを目的に、感情の機能と人格について基礎的な知識の修得をめざします。また、感情・パ−ソナリティ(人格)・性格、あるいはそれに基づく行動を心理学的な観点から理解することを目標とします。
情報化社会や技術革新など、現代的な問題を意識しながら、臨床心理学的な知見が私たちの心の健康にどう貢献できるかについて学びます。双方向的な授業の中で、心理療法の基本的役割や、各学派や技法のもつ効用と限界、発達と臨床のつながりなどについて幅広く知り、考える視点を養います。
基本的な実験と少人数でのグループディスカッションやアクティブラーニングを通して、ヒトの行動を理解するための心理学の科学的な研究手法を実践的に学びます。考えた仮説を検証するための研究計画を立て、実行して得たデータを分析し、考察できることをめざします。
Y.Kさん[3回生]
「社会心理学実習」では、心理学の知識はもちろん、PCスキルや統計の知識も必要。この授業を通して、自分に足りていない知識に気づくことができます。また、設定した条件や課題の難易度、結果の解釈について、先生から指摘をいただき改善できるのも魅力の1つ。調べている途中でもブレずに進めることができます。作業は基本的にグループワーク。全員がきちんと理解して研究に取り組めるよう、わかりやすい言葉で情報共有したり、確認作業を挟むこともあります。そのおかげで私自身も理解が深まり、噛み砕いて説明できるようになりました。そのほか、作業に行き詰まった時も間違いを恐れずアイデアを言ってみることで「発信力」が、分析ソフトによる数値データを文章に変換することで「論理力」が身につきました。
質問紙法や投映法、描画法、作業検査法、発達検査法など、心理臨床の現場において使用されることの多いさまざまな心理検査を実際に用いて、人間の心や行動、背景について理解し、他者に分かりやすく説明する力を身につけます。心理検査法の専門的技法を修得するとともに、心理検査のフィードバックにおいて、被験者や関係者に十分に配慮した共感的なコミュニケーションを図る力を養います。
本学問は、他の学問と相互に関わりながら変化する、人間の心的活動を究める心理学です。実験心理学を中心に人間の心の働きについて考察を深めます。その結果、行動や認知機能の理解が深まり、脳科学や認知科学・認知心理学的な観点から心的活動を説明できるようになります。
公認心理師あるいは対人援助の仕事に就くために必要とされる、心理支援に関する知識と技能の修得をめざします。また、心理療法における倫理観を身につけます。授業では、カウンセリングや心理療法のロールプレイを通じて、他者の心に寄り添い、共感する力を身につけます。
産業場面や組織行動と関係性の深い学問であり、組織で働く労働者の心と行動の特性についての理解をめざします。事例を用いて、心理学の知見をもとに労働や組織行動に関する問題解決力を養い、将来みなさんが就職して労働者となった際、日常生活で活きる心理学の知識を身につけます。
H.Yさん[3回生]
「心理的アセスメント」の授業で印象に残っているのは、最初の授業。YG性格検査を体験し、自分の性格について細かく知ることができたのがとても興味深かったです。精神科など実際に心理臨床の現場で使われている検査をたくさん受けることができるのは、貴重な経験。たとえばTATという心理検査では、自分自身が平和主義者で、感情の起伏が少ないという特徴があることもわかりました。自分のパーソナリティについて詳しく知ることができるのは、この授業ならでは。自己理解につながるほか、日常に活かせる内容も豊富なので、楽しく受講できます。毎回グループディスカッションを行うため、コミュニケーション能力も高まります。将来の夢は、子どもたちの味方になり、心身を支える人間になりたいです。
見た夢について話をする夢分析や、ミニチュアを砂箱に並べて遊ぶ箱庭療法を専門とし、精神科や学校でのカウンセリングを行っています。昔話や祭に関する心理学的研究、アーティスト・芸術家との協働も行っています。
ユング心理学/臨床心理学
人間中心の製品やサービスの開発に役立つ心理学を学びます。心理学の基礎的な知識や手法を学んだ上で、産業分野に応用するスキルを養い、企業で活躍できる人材養成をめざします。
心理科学/産業心理学
「大切なものは目に見えない」という一節を聞いたことがあります。心も見ることはできません。言語や行動、身体や脳の反応から、目には見えない心の働きを科学的に探ります。
認知心理学/精神生理学/認知神経科学
私たちのこころはどのような関係性の中で癒されていくのか、心理療法における関係性をテーマに扱っています。また慢性疾患を抱える方への臨床心理学的アプローチにも関心を持って取り組んでいます。
臨床心理学/心理療法
こころについて、イメージ表現活動を通して捉えることのおもしろさを伝えていきたいと思っています。心理臨床を実際に体験しながら学ぶ、臨床心理学実習という授業を担当しています。
臨床心理学/箱庭療法/芸術療法/心理査定
「上手くいく話し合いとそうでないものとの違いは何か。」そんな素朴な疑問から研究を始めました。身近な疑問を研究テーマに選べるのも心理学の強みです。一緒に研究を楽しみましょう。
社会心理学
問題解決につながる実践的な臨床心理学を追究します。統合的な視点をもとに、新しい知見を積極的に取り入れます。自分にも人にも社会にも役立つ心理学を。
臨床心理学/サイコセラピー/心理的アセスメント
さまざまな心の病について正しい知識を身につけます。また、心の病と社会との関係を深く考えることを通して、心の病を持つ人たちを援助できる人になってください。
精神医学
箱庭療法や夢分析などイメージを用いた治療を実践しています。心理療法は、地道な作業が多いですが、患者さんの心理的成長に関わることのできる、やりがいのある仕事ですよ。
臨床心理学/心理療法/箱庭療法
社会の事象はすべて人間の健康に関わっています。物事を健康の視点から分析することを学び、健康問題解決の糸口を探ります。「すべての人が健康に暮らせる社会」の実現を目指して、私たちができることを一緒に探求していきましょう。
公衆衛生看護学/国際保健