●フード領域
●マネジメント領域
●人領域
私たちが生きて行く上で切り離せない「食」。
現代ではただ「食べること」に留まらず、その分野は多岐に亘ります。3領域から成る幅広い学びを通して食の見方を変え、追究し、新たな食の価値創造をめざすこと、そしてそんな次世代を担う食のプロフェッショナルを育成することが、本学科のめざすところです。
食品・レシピ開発やカフェ経営をはじめ、保育士、スポーツ、栄養士など、めざせるフィールドは多岐にわたります。学科での学びや多彩な資格は食に関する総合的な知識や発想力となり、常に新しい価値が求められる食ビジネスの分野で活躍ができる力になります。
「フード」「マネジメント」「人」の3つの領域により、食物としての食はもちろん、それを取り巻く環境やマネジメント方法、その機能性まで、食のあらゆる側面を学びます。さらに演習ではフィールドワークやグループディスカッション、プレゼンテーションを通し実践力を高めます。
たとえば、食分野にテクノロジーを活用することで、食の可能性を広げる新しい産業分野「フードテック」。このフードテックを取り巻くビジネスは急成長し、様々な国内外の企業が取り組みを始めています。食イノベーション学科では、最前線の食についても理解を深めます。
渡邉 晃弘 教授 元・味の素株式会社
いま、食産業で求められるのは、過去からの取り組みではなく“イノベーション”
いま、世界的には食料不足や食料生産時の環境負荷が、日本においては高齢化社会における健康寿命の確保や労働力不足が問題となっており、これらの解決に向け、さまざまな取り組みが行われています。たとえば、日本で年間523万トンもある食品ロス。この抑制のため、ジュースの搾りかすからチップスを、コーヒーかすからエナジーバーを作り出すなど、植物の皮や芯、種など、素材全てを美味しく食べられるようにするアップサイクル技術が発展してきました。そのほか、繊細な作業ができるロボットの開発やAIを活用したスマートテクノロジーの発展により、食の製造プロセスにおける省人化も徐々に進展。健康を提供する食品も開発され続けています。大切なのは過去からの取り組みではなく、新たな技術や発想。まさに、イノベーションが必要とされているのです。
阪口 宗 教授 元・味の素AGF株式会社
問題解決力と消費者ニーズの捉え方の手法を身につけ、食のスペシャリストへ
私が食品企業に勤務する中でやりがいを感じた場面のひとつが、自分が開発に携わった新商品が全国のスーパーの店頭に並ぶ時でした。その感動をぜひ皆さんにも味わっていただきたいと思います。食のイノベーションとは、食関連の分野で新しい技術を活用し、新しい価値や感動を消費者に提供することをめざす取り組みのこと。そんな食のイノベーションに貢献できる人になるには、「食の3領域(食・人・マネジメント)」について十分に理解し、他社と差別化できる新しい技術や、消費者に認められる商品・サービスへのイノベーションの開発方法を身につけることが大切です。食品産業界における問題解決能力と消費者ニーズの捉え方の手法を身につけ、自ら開発した新商品を世の中に出すなど、“食のスペシャリスト”として活躍する力を鍛えてもらいたいと思います。
大手食品企業も開発を進めている「完全栄養食」は街中のスーパーやコンビニでも目にするようになり、種類もパスタや即席麺、グミなどさまざまです。完全栄養食は厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準」で設定された必須栄養素を1食で摂取することができ、幅広い人の栄養管理の手助けや災害時の非常食といった点からも注目されています。
外食産業の課題に焦点を当てると、人手不足、集客の不安定性、業務精度の不均一などが挙げられ、これらの課題に対して、経営者たちはキャッシュレス化や自動調理から配膳、顧客動向のデータ化など新しい形の店舗運用に取り組んでいます。デジタル技術の知識が必ずしも必要という訳ではなく、それらの可能性を見極め取り入れる姿勢が必要になってきます。
サブスクリプションは一定期間利用できる権利に対して、定額の料金を支払うビジネスモデル。離乳食のサブスクは忙しい子育ての中でも、月齢に合ったものが毎月届き、栄養素やアレルゲンの表示もあるので安心して赤ちゃんに与えることができます。さらに専用アプリと連動させることで食育のサポートも受けることができます。
※1 対象講座を受講し、国家試験を受験します。
※2 対象講習会の参加で受験資格が得られます。