お知らせ
7月23日(水)に帝塚山学院大学本館M605教室にて、基盤教育科目「伝統文化演習」(門井 節子講師)の特別講義を開催しました。華道家元池坊による本講義は授業の一環として行われ、今回で5回目となります。
華道家元池坊は、千年以上の歴史を持つ池坊の伝統を支える中核的存在として、国内外にその精神性と美意識を広める活動を続けられております。本学客員教授であり、過去4回の特別講義にてご講演いただいた、次期家元 池坊 専好先生は現在開催中の大阪・関西万博2025の副会長(理事)を務めておられ、「いけばなの根源 池坊専-TRANSITION-」を開催されるなど、国際的な活動にも力を入れておられます。
今回ご講演いただいた池坊 雅史先生は、現在華道家元池坊総務所事務総長、一般財団法人池坊華道会事務総長、株式会社日本華道会代表取締役を務めておられ、2023年度からは関西棋院理事長としてもご活躍中です。
講義の冒頭では、門井 節子講師による「ハラン一種生」の実演が行われました。「葉蘭(ハラン)に始まり葉蘭に終わる」と言われる池坊の稽古の精神を象徴するものであり、学生たちにとって華道の基本に触れる貴重な機会となりました。
続いて池坊 雅史先生より、池坊の歴史についてお話しがあり、華道家元池坊が代々住職を務めてきた、いけばなの発祥地「六角堂」が、度重なる災禍によって失われながらも門弟たちの尽力によって幾度も再建されたという歴史や、戦中戦後の厳しい状況下で華道がどのような立場に置かれ、苦境を乗り越えてきたのかなど、非常に興味深く心に残るお話を伺うことができました。講義の締めくくりには、和と美の哲学、そして日本の伝統文化を学ぶことの意義について語られ、学生たちにとって日本文化への理解を深める貴重で有意義な時間となりました。
本講義には、「伝統文化演習」の履修者と在学生に加え、本学同窓生・関係者を含めた42名が参加しました。この度の特別講義の開催にあたり、池坊雅史先生、門井節子先生、池坊華道会の皆様にご尽力賜りました。感謝申し上げます。