学生インタビュー

フィギュアスケートの本場カナダへ

フィギュアスケートの本場カナダへ

Y.Kさん

Personal Data

在籍学科

キャリア英語学科

出身高校

大阪府 香ヶ丘リベルテ高等学校

憧れの人物

常に向上心を持って人に感謝できる人、礼儀正しい人

よく遊ぶ場所

たまに難波に行きます

おすすめの映画、テレビ番組

The note book、アンという名の少女

好きなブランド

lululemon

アルバイトの職種

航空関係

1ヵ月のバイト代

7~8万円くらい

留学が終わる頃には楽しんで遊べるようになり、
これも私の人生に必要なことなんだなと。

3回生の8月から約1年間、カナダに留学されていますが、きっかけは何だったんですか?

今まで約14年間フィギュアスケートをやっていて、カナダのスケートスタイルに興味を持ったからです。大好きなスケートを通じて、英語力を高められたらいいなと思ってチャレンジしました。フィギュアをはじめたのは、小学校の3年生から。もともとバレエを習っていたんですけど、浅田真央さんがトリプルアクセルを飛んでいる映像を見て、氷上で踊りながらジャンプしているのが可愛くて!私もあんな風に踊りたいと思ったのがきっかけで転向しました。普段は大学に行く前や講義が終わってからスケートリンクで練習しています。せっかく留学に行くなら、フィギュアスケートの強いカナダだなと思いました。

留学前の準備では、街にスケートクラブがあるかどうかを自分で調べ、先生に英文をチェックしてもらいながら、スケートのレッスンが受けられるか、どんな感じで練習しているかをメールで問い合わせて、練習拠点となるスケートクラブを決めました。バンクーバーのようなフィギュアが盛んな都市なら、コーチなどを介してすぐに練習場所も決まったと思うのですが、留学先の大学があるのが小さな都市だったので、すべて一から自分で調べて準備を進めました。

カナダの大会に出場

実際にカナダに留学してみて、スケートを体験して、どんな感じでしたか?

カルチャーショックの連続でした。まずはスケートリンクに入っている選手の人数が違う。日本は多い時に50人ぐらい入るのが普通ですが、カナダのリンクって、多くても20人以下なんです。そして、割り当てられる練習時間が1日1時間30分と決められています。日本にいるときは、毎日3時間、長ければ5~6時間くらい練習していたので、1時間30分だけの練習では不安でした。でも、周りを見ると、その時間はみんな休憩なしで集中して練習しているんです。豊富な練習量は、技術習得に欠かせませんが、練習が長くなれば集中が切れることもある。だから、毎日「今日はジャンプ」「今日はスピン」と練習計画を自分で立てて、集中して練習するという方法が身につきました。また、日本人と欧米人は身体の構造や筋肉のつき方が違うことも改めて感じました。コーチから、「氷を足で押すように」と言われても、どこに力を入れればいいのかが分からない。膝や足首の使い方も違うから、言われた通りにしようとしてステップがうまく踏めなくなったことも。だんだん違いやコツがわかってはきたのですが、最初の頃は、英語もあまり理解できなくて、自分の思い描くスケートができないことにストレスを感じていました。あんなに滑ることが好きだったのに、スケートの練習が終わるとホッとしていた時期もあるんです。でも、続けていくうちに、英語でのコミュニケーションも取れるようになってきて、カナダのスケーティングスタイルの良さをいろいろと発見できて、勉強になったなと思います。

どんなところが良かったですか?

例えば、日本では幼い時から得点の取れる難しい技を練習するので、基礎練習がおろそかになることもあります。カナダの選手は日本の選手ほど技術が高くなくても、基本の姿勢をきっちりきれいにできる人が多かったです。基本の大切さをカナダでの練習ですごく言われました。一つひとつを丁寧に練習することで、自分の滑り方の改善すべきところを知ることができたと思います。あとは、表現ですね。欧米では、小さい頃から自分をきちんと主張することが習慣になっているので、音楽に合わせてダンスで自分を表現することを、自然にできる子が多いんです。だから、技術的にそこまで上手くなくても、楽しかったら「楽しい!」とか、身体の内側から感情を表現するのが本当に上手いんですよ。日本の選手は、恥ずかしいと思う人が多いのですが、感情豊かなカナダの選手のスケートを見ていると、自由に表現していいというフィギュアスケートのダイナミックで新しい形に気づくことができました。

カナダの友人からのプレゼント

1年間のカナダ留学を経験して、自分が変わったと思う部分はありますか?

そうですね、オンオフの切り替えができるようになったと思います。カナダの人って日常生活において、オンオフの使い分けがはっきりしているんです。仕事をしている人を見ても、日本とあまり変わらない仕事量だと思うのですが、作業をしている時は本当に集中しています。残業になっても、絶対1時間で終わらせるとか。私のホストマザーも、この作業は帰宅してから1時間でやると決めたら時間通りに終わらせて、あとは家族と過ごす時間を大事にしていました。休日に仕事をしている人を見たことがなかったですね。私は、スケートや勉強のことをずっと考えてしまってリフレッシュがなかなかできないタイプで。でも、それはあまり良くないなと感じて思い切って休むことにしました。日本では、土日もずっとスケートを練習していて、ちゃんとした休みを取ったことがなかったんですが、カナダのスケートクラブは土日が休みだったので、ホストファミリーと過ごしたり、カナダの学校での友達の家に遊びに行って一緒にご飯を食べたりしました。人生で初めてと言ってもいい休みを経験して、普通の10代、20代はこういう風に過ごしているんだなと思いました。留学前までは、毎日スケートのことばかり考えていて、小さい頃は全日本選手権やオリンピックを目標にして練習していたので、しんどいのが当たり前という意識がどこかにあったと思います。だから、最初は友だちと楽しく遊ぶって意外と難しいなと思ったし、罪悪感もありました。でも、留学が終わる頃には楽しんで遊べるようになって、これも私の人生に必要なことなんだなと思えました。日本に帰ってきて、周りを見ると、やっぱり日本人はいつも何かに追われていてしっかりと休めていないなと思うことがよくあります。

初めてリンクに立った時

これからの目標などはありますか?

卒業して数年後には、競技大会でスピンやジャンプなどのレベル判定をする技術判定員の資格を取得したいなと考えています。資格を取得するためには、競技者として一定の級を持っていなければならず、日本ではまだ取得している人が少ないのが現状です。まずは、その競技者としての級を取得したいと考えています。そして今後は、後進の指導や振り付けなどもしていきたいですね。欧米とアジアと両方のスケートを知ることができたからこそ、海外のスケーターを助けることができるのではないかと思っています。私のように欧米人とアジア人の身体の違いでうまくいかない人もいると思うので。語学力を生かして、海外から日本に試合に来る選手のサポートなどもしていきたいですね。

これからもスケートは続けていくんですね。

競技者としてはアイスダンスにもっとチャレンジしていきたい。留学中にカナダで開催された大会を見る機会があり、いろんな種目の中でもアイスダンスが好きだということに気づきました。カナダ選手たちの演技を見て、みんな自分らしくのびのびとスケートをしているのが印象的で、自分がこれから挑戦したいと思うスケートがアイスダンスにあると感じました。ずっとシングルの選手としてやってきたので、まだアイスダンスの経験は浅いですが、人生経験を重ねることで表現力が増し、演技に生かすことができる種目なので、これから技術や表現を磨いていきたいです。日本はシングルに注目が集まりがちで、アイスダンスに関しては認知度が低いんです。カナダのアイスダンスを身近に見て、その魅力を強く感じられたので、もっと日本で広めていきたいという気持ちになりました。カナダへの留学のおかげで、これからの人生におけるフィギュアスケートとの新しい付き合い方が見つかったと思います。