学生インタビュー

コスプレがあるから勇気を持てる

コスプレがあるから勇気を持てる

N.Oさん

Personal Data

在籍学科

心理学科

出身高校

徳島県立鳴門高等学校

憧れの人物

i☆Ris

よく遊ぶ場所

カラオケ

おすすめの映画、テレビ番組

家庭教師ヒットマンREBORN、BLEACH、うたの☆プリンスさまっ♪

好きなブランド

EATME、dazzlin

アルバイトの職種

整骨院の事務(受付)

1ヵ月のバイト代

未定(来月から始める)

憧れのキャラクターの姿をまとうことで、
内面的な勇気をもらっているんだと思います。

アニ活同好会の仲間

「アニ活同好会」を立ち上げたそうですね。

入学当初は音楽系のクラブに入ろうと思っていたのですが、人数バランスの都合でやりたかった楽器を担当できないということになって。それなら別の好きなことをやろうと思って、趣味であるアニメやコスプレのクラブを探したのですが、それがなかったんです。いろんな人に相談すると、クラブを立ち上げる方法もあると知って、だったら同じ趣味を持つ仲間と一緒に楽しめる場所を作ろう!と。早速、学科の友だちを中心に声をかけて、13人ほどが集まってくれました。同じアニメ好きのメンバーですが、実はいろんなタイプがいて、私はコスプレが大好きですし、聖地巡礼(アニメの舞台となった実在の場所を巡るツーリズム)にハマっている人、ただただアニメを見る人、漫画を読むのが好きな人など。私としては、もっとコスプレの魅力を布教したいという思いもありますが、それぞれの思いを持ったメンバーが主張し合いながら、さまざまな活動に挑戦していくことはとても楽しいし、醍醐味を感じています。

同好会設立からどのような活動をされましたか?

一番のトピックは、この秋に開催した1泊2日の合宿です。メンバーが2チームに分かれて、京都で聖地巡礼をするというもの。京都には約270ヶ所の聖地があると言われていて、たくさんの聖地が点在しているので、どこに行くかを決めるだけでもみんなの希望がバラバラ。思いをぶつけ合ってのひと悶着の結果、私たちのチームは『名探偵コナン』の映画『迷宮の十字路(クロスロード)』の聖地である鞍馬寺を中心に巡りました。道頓堀で開催されたハロウィンイベントも思い出深いです。みんなで中高生時代の制服を引っ張り出して着て参加したのですが、あれは個人的にはハロウィンの仮装ではなく、コスプレの一環だったと思っています。「次はメイド喫茶に行ってみよう!」とか、「来年は日本最大級のコスプレイベント『日本橋ストリートフェスタ』に出てみたいね」など、今後の活動も着々と計画中です。それと今、メンバー13人のうち他学科の学生が1人だけなので、もっと他学科の学生にも入ってもらいたいですね。アニ活を通して、学科間を超えた学生同士の交流が活発になるといいなと思っています。

アニメやコスプレに興味を持ったきっかけは?

私の地元は徳島県なのですが、徳島市では2009年から年に2回『マチ★アソビ』という大型イベントが開催されているんです。声優のトークイベントやアニメの先行上映、コスプレイベントが行われるこのイベントのために、全国から8万人を超えるアニメ好きやコスプレイヤーが集まります。そんな『マチ★アソビ』の盛況ぶりを見て、私も中学生の頃から「コスプレしてみたいね」なんて、友だちと話していました。初めてコスプレに挑戦したのは高校2年生の時。当時所属していた放送部の先輩がコスプレに詳しい人で、有名なコスプレイヤーが徳島で開いているコスプレアイテムのお店を紹介してくれたんです。なりたいキャラクターやイメージにピッタリの衣裳をオーダーメイドできたり、なりきりメイクの仕方なども教えてもらえたりする夢のようなお店に通ううちに、「私にもできるかも!」という気持ちがどんどん大きくなって。私史上初のコスプレは、徳島の『マチ★アソビ』がデビューでした。記念すべきその時のモチーフは、アニメ『リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)』の人気キャラクター『レム』。当時は必死で『レム』の魅力を再現したつもりでしたが、経験を積んだ今、改めて写真を見返してみると全然ダメですね。それ以来、毎年『マチ★アソビ』のために徳島に帰省して、期間中は毎日違うコスプレに挑戦しています。

実際のコスプレ写真

コスプレの知識や技術はどうやって身につけるのですか?

基本的にコスプレに関することはすべて独学です。情報源の多くはインターネットやTwitter。海外でも人気のコスプレイヤーの投稿画像を見て研究しながら、地道に経験を重ねてスキルアップしていくしかありません。当然ながら、最初の頃は準備すら失敗の連続で、オーダーした衣裳のサイズが間違って届いてしまい、小さすぎて着られない!なんてこともありました。イベント前日まで慌てて大きいサイズの在庫を探し回って見つかったと思ったら、今度は逆にダブダブで。あの時の焦りは今でも忘れられません。ほかにも、既製品のウイッグをカットして長さや細かいニュアンスを調節したりすることも多いのですが、髪の切り方なんてもちろん習ったことはないので、試行錯誤の連続でかなり苦労しています。それでも、少しずつ技術力が上がっていく実感があって、楽しみでもありますね。

コスプレの魅力はどこにありますか?

最大の魅力は、大好きなキャラクターに近づけたような気持ちになれることです。キャラクターへの理解や共感がますます深まりますし、姿形だけでなく、強さだったり、優しさだったりといったそのキャラクターの内面的な魅力も再現できるようになれたらとも思います。でも、実は「最推し」のキャラクターは、恐れ多くて気軽にコスプレできなかったりするんですよ。私なんかでは到底再現できるはずがないというか。だから、いつも2番目ぐらいに好きなキャラクターを選んでしまいます。また、男性キャラクターはどうしても体型を再現するのが難しいので、基本は女性キャラクターのコスプレをすることが多いですね。もう一つの魅力は、人格を変えることができること。一人で行動するのが苦手だった私が、コスプレをするようになってからは、いろいろなことに積極的にチャレンジできるようになりました。アニ活同好会だって、昔の私だったら、ゼロから立ち上げるなんてこと、絶対にやらなかったと思います。コスプレをしている時は、イベントで憧れのコスプレイヤーに堂々と話しかけることができますし、年齢や立場の違う人とも抵抗なく話すことができます。憧れのキャラクターの姿をまとうことで、内面的な勇気をもらっているんだと思います。

コスプレとは、それほどまでに勇気を与えてくれるものなんですね。

私、コスプレを始める前は、「将来こうなりたい」っていうビジョンがまったく持てなかったんです。でも、あるタイミングで見た『プリパラ』というアニメのメインキャラクター6人の声を担当する声優さんが、「i☆Ris」というアイドルユニットとしても活動していることを知りました。キャラクターとシンクロする歌声やダンスに感動し、そこから声優という職業に興味を持ったんですが、その頃はまだ堂々と「夢」だといえるほどの勇気はありませんでした。その後、進路で悩んでいた時に出会ったのが、アニメ『アイカツスターズ!』のオープニング曲『スタートライン』。曲の冒頭で歌われる「夢は見るものじゃない 叶えるものだよ」という歌詞に、背中を押された気がしました。それがきっかけで、「声優になる」という明確な目標ができて、周囲を説得して大阪へ出ることを決めました。

声優の夢を実現させるためになぜ大学へ?

大学進学を選び、心理学を専攻した理由は、学びを演技に生かせると考えたから。視聴者や演じる役柄の心理を読み解き、より深く寄り添うような演技ができるようになりたいです。もちろん、簡単に叶う夢じゃないことも理解しています。来年からは夜間の声優学校にも通うつもりで、学費を貯めるために整骨院の事務のアルバイトを決めました。声優の勉強と並行して、大学でもしっかりと学び、臨床心理士の資格取得もめざしています。難しいからと簡単に諦めず、夢が叶うまで最大限の努力をし続ける。

その覚悟と勇気をアニメやコスプレからもらいました。いつか夢を叶えて、今度は私が誰かに勇気を与えられる存在になりたいと思います。難しいからと簡単に諦めず、夢が叶うまで最大限の努力をし続ける。その覚悟と勇気をアニメやコスプレからもらいました。いつか夢を叶えて、今度は私が誰かに勇気を与えられる存在になりたいと思います。